- コンプライアンスなど担当のムレイ理事が今月10日にも退社の方向
- 西川氏らの株価連動報酬問題の調査結果は9日の取締役会で報告へ
日産自動車の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が株価連動型報酬で権利の行使日を変更して当初より多くの額を受け取った問題で、6月から行われてきた社内調査を主導した日産の女性幹部が近く退社する方向であることが6日、複数の関係者の話で明らかになった。
関係者らによると、コンプライアンスなどを担当するクリスティーナ・ムレイ理事で今月10日にも退社する見通し。同氏は今年6月発売の月刊誌による西川氏の報酬問題の報道を受けて着手された社内調査を主導する立場にあった。
ムレイ氏に取材を試みたが返答はなかった。日産広報担当の奥田浩司氏は個々の社員の去就についてはコメントしないとした。
株価連動型報酬に関しては当初の権利行使日をずらして2013年5月21日の株価を基準として報酬が支払われ、西川氏は結果として4700万円多く受け取った。税金分を含めると日産はさらに多額を支払ったとされる。西川社長以外にも星野朝子副社長やハリ・ナダ専務ら複数の幹部も類似の手法で報酬を受けていたことが分かっている。
西川氏は5日朝、自宅前で記者団に対して報酬の仕組みの運用や事務局の運用の仕方に問題があったことがはっきりしたとし、本来の手続きとは違う差額については会社に返納する意向を示していた。
ムレイ氏は会社法違反(特別背任)で東京地検特捜部に逮捕、起訴されたカルロス・ゴーン前会長の不正についても調査する立場にあった。西川氏の報酬問題をめぐる調査結果は9日開催予定の取締役会で報告される。