[ワシントン 9日 ロイター] – ムニューシン米財務長官は9日、米経済がリセッション(景気後退)に陥る恐れはないとの見方を示した。 

ムニューシン長官はFOXビジネス・ネットワークに対し、国債の利回り曲線の状態はリセッション入りを示してはいないとし、今後1年はプラス成長になるとの見方を表明。米連邦準備理事会(FRB)が向こう数カ月で利下げを実施するとの見方が市場で出ているとも述べた。 

米中通商協議については、中国と「良好なディール(取引)」を行うことを目指していると述べた。 

米中は今月5日、閣僚級の通商交渉を10月初旬にワシントンで開催することで合意。両国のハイレベルの対面交渉は物別れに終わった7月下旬の通商協議以来初めてとなる。 

10月の協議には中国の劉鶴副首相、米国のライトハイザー通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官らが出席。これに先立ち両国は9月半ばに準備協議を行う。 

ムニューシン長官は「文書は存在しており、多くの進展が見られた。中国の当局者によるワシントン訪問は良い兆候で、中国が交渉の継続を望んでいることを示している」と指摘。「米国も交渉の用意を整えている。双方にとり良好なディールが得られれば、署名する。得られなければ、トランプ大統領は関税措置を続行することに全く異論はない」と述べた。 

ムニューシン長官はその後、ホワイトハウスで記者団に対し、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁も10月の協議に参加すると表明。両国が「為替相場と為替操作」についても協議することを明らかにした。 

米財務省は8月5日、1994年以来初めて中国を為替操作国に認定。中国は反論しており、二国間協議が必要となっている。