[ニューヨーク 10日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロでほぼ変わらず。欧州中央銀行(ECB)が12日の理事会で利下げを実施し、資産購入プログラムを再開するとの観測が高まっている。
ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「週内最大のイベントであるECB理事会待ちとなっている」と指摘 。市場では刺激策が実施されると予想されているものの、「理事会のタカ派の一部がスタンスを揺るがしていることもあり、失望感を誘う結果となることもありえる」と述べた。
ユーロ/ドルはほぼ変わらずの1.1045ドル。この4日 間、1.1014─1.1084ドルの狭い取引レンジにとどまっている。
前日は、ドイツ政府が厳格な財政ルールに抵触しない「影の予算」創設し、低迷する国内経済への投資を行うことを検討しているとのニュースを受け、ユーロは上昇した。ショルツ独財務相はこの日、同国が経済危機に見舞われた場合でも
、経済に「数十億ユーロ」を注入することによって対処可能と強調し、独経済がリセッション(景気後退)に陥った場合に大規模な刺激策を講じる用意があることを示唆した。
しかし、メルケル独首相は財政均衡方針を堅持すると言明した。円は対ドルで下落し、8月2日以来の安値に沈んだ。日銀が18─19日開催の金融政策決定会合で金融緩和の是非について議論するとのニュースに反応した。
米経済指標では12日発表の消費者物価指数(CPI)、13日の小売売上高統計が注目されている。17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、連邦準備理事会(FRB)が追加利下げに動くとの見方が大勢。
ドル/円
NY終値 107.53/107.56
始値 107.36
高値 107.58
安値 107.20
ユーロ/ドル
NY終値 1.1043/1.1044
始値 1.1037
高値 1.1052
安値 1.1031