[北京 11日 ロイター] – 中国財政省は11日、米国からの輸入品に対する追加報復関税について、16品目を免除の対象とすると声明で発表した。これには乳清(ホエイ)やフィッシュミールなどの飼料や一部の抗がん剤、潤滑油などが含まれる。 

免除は9月17日から来年9月16日までの1年間適用される。 

中国はすでに米国からの輸入品5000品目以上に追加関税を発動しており、今回の免税対象品目はごくわずかにとどまる。大豆、トウモロコシなど、米国からの重要な輸入品には依然として高い関税が課せられている。 

財政省は、今後さらに免税対象品目を検討し、「適切な時期に」発表するとしている。 

米中両国は貿易摩擦の緩和に向け、今月交渉を再開する。 一部のアナリストは今回の措置について、友好的な姿勢を示す意味はあっても、米中が合意に近づいているとは考えにくいとしている。 

INGの大中華圏担当エコノミスト、アイリス・パン氏は「10月の閣僚級協議に向けて米国に誠実な姿勢を示す狙いがあるのかもしれないが、むしろ経済を支援するための措置とみるのが妥当」と指摘。 

「通商協議にはなお、多くの不透明要因がある。たった16品目の除外では、中国のスタンスが変わったとは考えられない」と述べた。 

米中通商協議は、9月半ばにワシントンで準備会合が開かれ、10月上旬には閣僚級の協議が行われる。閣僚級協議には中国の劉鶴副首相、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表、ムニューシン米財務長官らが出席する見通しだ。 

香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国は対米通商協議を優位に進めるため、米国産の農産物輸入を増やす見通しと報じた。