- 米政権で対中暫定合意案を協議、ECBが反対押し切りQE再開へ
- 日産を米調査、リセッション確率75%、米利下げ見通し後退
貿易戦争が景気後退(リセッション)を招いては再選が危うくなることを、トランプ大統領は認識しているかのようです。中国への強硬姿勢を維持しながら収束に向かわせるという、微妙なかじ取りを余儀なくされています。一方で懸念緩和は利下げ見通しを後退させました。政策金利ゼロ、もしくはそれ未満を要求するトランプ氏は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長への攻撃をますます強めるかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
現実路線
トランプ政権の当局者らは中国に限定的な貿易合意案を提示することを協議した。知的財産や農産物購入で中国の約束を取り付ける代わりに、一部関税の発動を延期、あるいは撤回する内容だという。事情に詳しい関係者5人が明らかにした。一方、米国は中国との暫定的な貿易合意案を検討していないと、CNBCはホワイトハウス高官の発言として報じた。
反対押し切る
欧州中央銀行(ECB)は中銀預金金利を0.1ポイント引き下げマイナス0.5%とし、債券購入を再開すると発表した。一部の超過準備についてマイナス金利を免除する措置も導入する。ドラギ総裁は「ユーロ圏がリセッション(景気後退)入りする確率は低いと依然考えているが、確率は上昇した」と発言。債券購入の再開に対しては、フランスとドイツ、オランダの中銀総裁が反対した。
意図せず作動
米道路交通安全局(NHTSA)は、日産自動車の人気スポーツタイプ多目的車(SUV)「ローグ」について、前方に障害物がないにもかかわらず自動緊急ブレーキシステムが作動するとの苦情が数百件寄せられているとして調査している。
確率75%
ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は、米経済が2020年の大統領選を前にリセッション入りする確率が75%だと、警戒を促した。最も正確なリセッションのシグナルは逆イールドそのものではなく、「逆イールドの発生、そしてその解消だ」とも述べた。
来週のFOMC
米中の貿易戦争が合意に向かうとの期待で、米利下げ見通しが後退した。フェデラルファンド(FF)金利先物動向によると、FF金利は2019年末時点で約1.60%と織り込まれており、年内に54ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度の追加利下げがあるシナリオとなっている。前日は同1.575%だった。
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