[ワシントン 12日 ロイター] – トランプ米大統領は12日、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和措置はユーロの価値を弱め、「米国の輸出に打撃を与える」と主張し、連邦準備理事会(FRB)に行動するよう圧力を強めた。
ECBの政策発表から約30分後、トランプ大統領はツイッターへの投稿で「ECBは迅速に行動し、10ベーシスポイント(bp)利下げした。ECBは非常に強いドルに対するユーロの価値を引き下げることに尽力そして成功し、米国の輸出に打撃を与える」と反応。「FRBは手をこまねいているだけだ。FRBが金を貸りて報酬を得る一方、われわれは金利を払っている!」と批判した。
ECBは同日開いた理事会で、利下げや量的緩和(QE)の再開など一連の追加金融緩和策の導入を決定。市中銀行が余剰資金をECBに預け入れる際の適用金利である預金金利を現行のマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げ、11月から月額200億ユーロの債券買い入れを行う。
ECBの決定を受け、ユーロは対ドルEUR=で下落。1.10ドルを割り込み、約2年ぶりの安値水準で推移した。ユーロ/ドルは年初から4.6%超値下がりしている。
米ホワイトハウスのナバロ大統領補佐官(通商製造政策局長)はFOXビジネスネットワークとのインタビューで、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想されている25bpの利下げは米成長押し上げに「不十分」と強調。「ECBの措置を認識し、これに合わせる必要がある」と述べた。
金融市場が織り込む来週FOMCでの25bp利下げの確率は約90%。10月の会合でも25bp利下げが実施されるとの見方が織り込まれている。