• 中国政府は大豆や豚肉などの輸入再開を認めるかどうか検討
  • トランプ大統領は10月1日予定の対中関税率引き上げ2週間延期

米国と中国は貿易戦争の緊張緩和に向けて、互いに小さな一歩を踏み出した。貿易交渉担当者らはワシントンでの対面の協議再開を数週間内に控えている。

トランプ米大統領は11日、中国からの輸入品2500億ドル(約27兆円)相当に対する追加関税率を25%から30%に引き上げる計画について、10月15日まで2週間延期すると発表した。中国は10月1日の建国70周年を新たな関税に曇らされることなく祝うことができる。

一方、中国側は大豆や豚肉などの米国産農産物の輸入再開を認めることを検討している。事情に詳しい関係者が12日明らかにした。トランプ大統領の支持者の多い米国の州への圧力が和らぐ可能性がある。中国商務省の高峰報道官は同日、中国企業は大豆や豚肉など米国の農産物の価格について問い合わせを始めたと、北京での定例記者会見で述べた。トランプ大統領は米時間12日のツイートで、中国は「大量の米国産農産物」を買うことが期待されているとコメントした。

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Donald J. Trump@realDonaldTrump

At the request of the Vice Premier of China, Liu He, and due to the fact that the People’s Republic of China will be celebrating their 70th Anniversary….47,4118:17 – 2019年9月12日Twitter広告の情報とプライバシー13,066人がこの話題について話しています

Donald J. Trump@realDonaldTrump返信先: @realDonaldTrumpさん

….on October 1st, we have agreed, as a gesture of good will, to move the increased Tariffs on 250 Billion Dollars worth of goods (25% to 30%), from October 1st to October 15th.47,2688:17 – 2019年9月12日Twitter広告の情報とプライバシー15,409人がこの話題について話しています

米国が10月と12月に計画している関税措置に比べれば、米中両国の行動を合わせても小さなものだが、両国とも貿易戦争の経済への悪影響が顕著になるのに伴い、合意の緊急性は増している。

中国は米国が関税発動を延期したことを善意の印として歓迎すると、高峰・商務省報道官が12日の記者会見で述べた。米中の中級レベルの当局者が近く、次の段階であるハイレベル協議の準備をするとも述べ、双方は対話を続けているとあらためて述べた。交渉担当者トップ同士の会談の日付には触れなかった。

中国国営の新華社通信は、来週に米中の実務者レベルの会合が開かれ、貿易収支や市場アクセス、投資家保護などの問題について意見を交換すると、劉鶴副首相の話を基に報じた。

農産物の輸入を再開するとしてもこれからのことで、量も未定だと関係者が述べている。中国は貿易交渉が頓挫した後、8月に米農産物の輸入を停止していた。

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U.S. soy exports to China had tumbled amid the trade war

中国は11日に、25%の追加関税を免除する米製品の一覧を発表したが、農産物はそこに含まれていなかった。  

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メイバンク・キムエン・リサーチのエコノミスト、チュア・ハクビン氏(シンガポール在勤)は「トランプ氏が善意を示したのは、米国が貿易戦争の痛みを感じ始めたことを示唆する。米国は合意にもっと熱心になるかもしれない」と話した。

ただ、双方の善意のジェスチャーにもかかわらず、根本的な問題での隔たりはまだ大きく、非難合戦は続いている。

原題:China Is Considering U.S. Farm Imports as Goodwill Before Talks(抜粋)
China, U.S. Are Showing a Little Goodwill as Trade Talks Near
China, U.S. Showing a Little Goodwill as Trade Talks Near (2)