[ニューヨーク 12日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで上昇。欧州中央銀行(ECB)理事会は予想通り追加金融緩和策の導入を決定したものの、一部の予想ほどハト派ではなかったと受け止められ、買い戻しが入った。
ECBは、市中銀行が余剰資金を預け入れる際の適用金利である預金金利を現行のマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げるとともに、利下げに伴う金利負担を軽減するため金利階層化を導入。さらに11月から月額200億ユーロの債券買い入れを行うほか、銀行を対象とした長期資金供給オペ(TLTRO)の条件を緩和した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の国際為替戦略部長、ウィン・シン氏は「追加緩和策にはありとあらゆる対策が盛り込まれたものの、全体としては期待されたバズーカ砲級の大胆な金融緩和にはならなかった」と述べた。
ユーロ/ドルは0.55%高の1.1069ドル。当初は1 .0925ドルまで値下がりしていた。ECBが金利階層化を導入したこともユーロを押し上げたという。
ドル/円は値上がりし0.31%高の108.14円。米中通商交渉を巡り、トランプ大統領の側近らが追加関税の一部先送りや撤回につながる限定的な合意案の提示を検討したというブルームバーグの報道が材料視された。ただその後、米政府高官は報道について事実では ないと否定した。
経済指標では8月の消費者物価指数(CPI)が変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアベースで前月比0.3%上昇と底堅く伸びたほか、前年同月比は2.4%上昇し、2018年7月以来の大幅な伸びとなった。ただ景気が減速する中で、米連邦準備理事会(FRB)は来週、追加利下げするとみられている。
ドル/円
NY終値 108.09/108.12
始値 107.87
高値 108.18
安値 107.53
ユーロ/ドル
NY終値 1.1061/1.1065
始値 1.1024
高値 1.1086
安値 1.0928