- 米民主党、ヒューストンで討論会開催-医療保険制度改革で激論
- 国民皆保険制度か、オバマケア強化かを巡り左派と中道が対立
米民主党は12日、2020年大統領選挙の候補者によるテレビ討論会をテキサス州ヒューストンで開いた。バイデン前副大統領はバーニー・サンダース上院議員とエリザベス・ウォーレン上院議員が提唱する国民皆保険制度を批判し、民主党の最も深い亀裂を象徴する格好となった。
民主党のテレビ討論会は3回目で、支持率などで絞った主要候補10人が初めて同じステージに立った。国民皆保険制度を推進すべきか、あるいはオバマケアを強化すべきかを巡る左派と中道との論争が中心となった。
それ以外の論点では、支持率でリードするバイデン、サンダース、ウォーレン3氏の間で意見の違いはそれほど目立たなかった。2時間半続いた討論会に先立ち、バイデン氏とウォーレン氏の対決が特に期待されていた。支持率が低めの他の候補らが、ステージ中央に陣取った70代の3氏の議論を切り崩そうとしたが、ほとんどうまくいかなかった。
バイデン氏はオバマ前大統領の事実上の後継者という立場を繰り返し主張し、ウォーレン氏がサンダース氏の国民皆保険制度に同調する姿勢を批判。国民皆保険制度よりもオバマケアの改善を訴えた。
貿易政策を巡っては、現職のトランプ大統領への非難一色となった。貿易に関する質問に答えた候補らは、トランプ大統領のアプローチ、特に対中交渉における不安定なアプローチはうまくいかないとの見解で一致。ただ、踏み込んだ解決策は出なかった。ウォーレン議員は、「米国の勤労者」や農家、小規模事業者を弱らせるためではなく、「より力強い経済を築くためにわれわれは貿易を役立てることができる」と語った。
銃規制では候補らの意見は再び割れた。殺傷力の高い攻撃用武器を大統領令で禁止するカマラ・ハリス上院議員の提案は憲法違反になるとバイデン氏が述べたことに対し、ハリス氏は、オバマ前大統領のスローガンを引き合いに出し、できないと言わず「イエス・ウィー・キャンと言おう」と発言した。
これまでの討論会では民主党の候補者指名争いの形勢に変化はなく、バイデン氏が全米調査でリード。ウォーレン氏とサンダース氏が2位を争う展開となっている。リアルクリアポリティクスの平均では、バイデン氏は1回目の討論会前よりも支持率を4ポイント落としたが、ウォーレン、サンダース両氏に対し約10ポイントのリードを保っている。
原題:Biden Challenge to Warren, Sanders Shows Democrats’ Schism(抜粋)