アメリカのトランプ政権は、国内で販売される自動車の排ガス規制を緩和すると発表し、環境対策よりも産業の保護を重視する姿勢を改めて示しました。そのうえで、温暖化対策に積極的なカリフォルニア州が持つ独自の排ガス規制を決定する権限を剥奪することも明らかにし、州政府が反発しています。

アメリカでは、国内有数の自動車市場であるカリフォルニア州が、独自の厳しい排ガス規制を決定する権限を持っていて、トランプ政権は、自動車産業の成長を妨げていると批判してきました。

アメリカのホワイトハウスは19日、声明を出し、全米で統一された基準を新たに導入し、国内で販売される自動車の排ガス規制を緩和すると発表しました。

また、メーカーの負担を軽減するため、カリフォルニア州が持つ権限を剥奪し、自動車をより安く生産できるようにするとしています。

カリフォルニア州が厳しい環境基準を採用してきたことで、電気自動車の開発が促されるなど技術革新が進むきっかけにもなってきましたが、トランプ大統領としては、再選がかかった大統領選挙を来年に控え、産業の保護を重視する姿勢を改めて示すことで、支持を掘り起こすねらいがあるとみられます。

こうした動きにカリフォルニア州のニューサム知事はツイッターに、「排ガス規制によってわれわれの空気と健康を守ることができる」と投稿し反発しています。