国連の温暖化対策サミットを前に温暖化の現状をまとめた報告書が発表され、世界の平均気温は、これまでに1.1度上昇したと指摘したうえで現状のままでは、今世紀末には平均気温が最大で3.4度上昇するとして、各国に対策の強化を呼びかけています。
報告書はWMO=世界気象機関やUNEP=国連環境計画などがニューヨークで開かれる国連の温暖化対策サミットを前に22日、発表したものです。
それによりますと、ことしを含む直近5年間の世界の平均気温は、それ以前の5年間に比べて0.2度上昇し、産業革命前の19世紀後半に比べると1.1度上昇したとしています。
また、海水面の上昇が加速しているほか、海は二酸化炭素の吸収によって酸性度が26%増していて、生態系への影響が懸念されるとしています。
一方で、石炭や石油などの化石燃料は今も主要なエネルギー源で、温室効果ガスの排出量は増え続けているとし、各国政府が約束した削減目標を達成しても世界の平均気温は、今世紀末には最大で3.4度上昇するとしています。
報告書は気温の上昇を1.5度以内に抑え、温暖化による深刻な被害を防ぐためには、各国が大幅に取り組みを強化する必要があるとしていて、国連のグテーレス事務総長は各国の首脳にこうした事実に耳を傾け、行動に移すよう呼びかけています。