サウジアラビア東部アブカイクで、破壊された塔の形をした設備=20日(共同)
サウジアラビア東部アブカイクで、破壊された塔の形をした設備=20日(共同)

 【ニューヨーク=上塚真由】ジョンソン英首相、マクロン仏大統領、メルケル独首相は23日、国連総会に合わせて米ニューヨークで首脳会談を行い、サウジアラビア東部の石油施設に対する攻撃について、「イランが責任を負うのは明白だ。他に説得力のある説明はない」とする共同声明を発表した。

 トランプ米政権は、イランが何らかの形でサウジの施設攻撃に関与したとして非難を強めている。イラン核合意の当事国である英仏独はこれまで慎重な立場を取っていたが、米国と同調し、イランを強く牽制(けんせい)した形だ。

 声明では攻撃を「最も強い言葉で非難する」とした上で「サウジだけでなく全ての国を憂慮させ、大きな紛争が起きるリスクを高めた」とイランを批判した。

 また「持続可能な外交努力によって、地域の緊張が緩和される必要があることが浮き彫りとなった」と対話を続けていくことも強調した。イランに核合意を再び完全履行するよう促し、「長期的な核計画の枠組みや、ミサイル計画などを含む地域の安全保障問題に関する交渉をイランが受け入れるときが来た」として交渉に応じるよう呼びかけた。

 一方、ジョンソン氏は23日、英メディアに対し「前に進み、新たな合意を行うときだ」と述べた。米NBCニュースに出演した際にも「より良い合意をできる人物がいる。それは米大統領だ」などと強調した。ロイター通信によると、英政府はジョンソン氏が現行の核合意を支持し、イランに順守を促すための方策を求める立場だと説明した。

 これを受けて、イランのザリフ外相は23日、ツイッターで英独仏は核合意の義務を果たしていないと非難。「現在の核合意を順守する前に、新たな合意はない」と述べた。