[フランクフルト 23日 ロイター] – ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は23日、ユーロ圏経済は回復のめどが立っておらず、製造業の長引く低迷は経済全般に悪影響を及ぼしかねないという認識を示した。
総裁は欧州議会の経済金融委員会で証言し「製造業の新規輸出受注など先行指標を含め、最近の統計は経済が目先持ち直す確信的な兆候を示しておらず、成長見通しのリスクバランスは依然、下向きに傾いている」と表明した。
域内経済の要である非製造業は足元、底堅い動きを続けているものの、輸出関連部門の不振といつまでも無関係でいられるわけではないとし「製造業の低迷が長引けば長引くほど、他の分野にも影響を及ぼすリスクは高まる」と語った。
ECBの金融政策に手詰まり感もうかがえる中で、ドラギ氏は政府の財政政策が一段と大きな役割を果たすべきと指摘。米国の連邦予算のような欧州の財政統合が景気循環の円滑化を進める上で有益になると述べた。「ECBは孤立して機能しておらず、他の経済政策も重要となる。すなわち金融政策の効果を高め、補完するような一体的な経済戦略が必要だ」と強調した。