[国連/ワシントン 24日 ロイター] – トランプ大統領は24日、7月に行ったウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談前に同国に対する約4億ドル規模の支援を保留するよう指示したことを確認した。しかし、野党民主党の有力候補と目されるバイデン前副大統領に打撃を与えることを目的にウクライナに圧力を掛けたとされる疑惑は否定した。 

トランプ大統領は記者団に対し、対ウクライナ支援保留の決定について「交換条件はなかった」と強調し、米国だけでなく欧州諸国も援助すべきと考えたことが理由と説明した。 

さらにトランプ大統領はツイッターへの投稿で、25日にゼレンスキー大統領との電話会談の記録を完全な形で公表する方針を明らかにした。 

こうした中、米紙ワシントン・ポストは関係筋の情報として、民主党のペロシ下院議長が同日、トランプ大統領弾劾に向けた正式調査を開始する方針を表明する見通し。 

ペロシ下院議長はこの日同党の有力議員と会合し、トランプ大統領弾劾の可能性を検討している。同下院議長はこれまで弾劾に反対を唱えてきた。 

またバイデン前副大統領は、トランプ大統領が今回の問題を巡る情報提出などで議会の要請に応じなければ、弾劾手続きの開始を支持すると表明。「トランプ氏が議会妨害や法の軽視を続けるなら、議会は弾劾手続きを開始するしか選択肢はないと考える」と述べた。 

また、米上院外交委員会のメネンデス会長(民主党)はこの日、マルバニー行政管理予算局(OMB)局長に書簡を送り、トランプ政権が対ウクライナ支援を保留していた問題の調査に乗り出すよう要求した。 

メネンデス会長は書簡で、ウクライナに対する安全保障に絡む支援の見直しや支援を保留する理由を巡り議会は通知されていないと強調。トランプ大統領がウクライナ当局に圧力を掛けていたことが「明白になりつつある」と主張した。 

トランプ大統領は、民主党議員の間で強まっている弾劾機運が政治的動機に基づくと批判した。