• 「ストレスト」分類企業のドル建て債残高の約40%が来年償還
  • ヒーローになろうとせず、より安全な賭けが必要な市場-ローウィ氏

今年は中国の国内債が記録的なペースでデフォルト(債務不履行)に陥っているが、来年はオフショア市場の番かもしれない。現時点で「ストレスト」に分類される企業が発行したドル建て債の大量償還が近づいているためだ。

ブルームバーグの集計データによると、利回りが現在15%以上のオフショア債86億ドル(約9260億円)相当が2020年に償還を迎える。言い換えると、ストレスト企業のドル建て債発行残高の約40%が来年償還となる。

中国当局はレバレッジ抑制に向けた取り組みを続ける必要性を強調しており、デフォルトの増加を示唆する。現在の低金利環境で高い利回りに引き寄せられている投資家にとっては、これは危険な予兆だ。

香港に拠点を置き、債券を専門とするSCローウィのミシェル・ローウィ最高経営責任者(CEO)は、「ここはヒーローになろうとするのではなく、より安全な賭けをしなければならない市場だ」と指摘。債務不履行でファンドが高利回り債から資金を引き揚げ、利回りが跳ね上がって発行体の借り換えが一層難しくなるという「巨大な雪だるま効果に陥る寸前だ」と話す。

ローウィ氏は力強いキャッシュフローを持った企業にこだわるよう助言した。

原題:‘Massive Snowball’ Effect to Spur China Bond Defaults Abroad (2)(抜粋)