• 米ISM製造業が10年ぶり低水準、米自動車販売は各社苦戦
  • クレディSのCEO責任不問、バックストップに期限か、イタリア債

米株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比343ドル下落。米製造業の指標が市場予想に反して低下し10年ぶりの低水準を記録、世界的な景気減速懸念が強まった格好です。市場関係者からはサービス業への波及を不安視する声も上がっています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

製造業の不振鮮明

米供給管理協会(ISM)が発表した9月の製造業総合景況指数は47.8。前月の49.1から一段の活動縮小を示し、前回のリセッション(景気後退)終了以降の最低水準となった。市場予想では50.0への改善が見込まれていた。生産指数も10年ぶりの低さで、雇用指数は2016年1月以来の低水準だった。

日本勢が2桁マイナス

9月の米自動車販売統計で各社の苦戦が明らかになった。日本勢では日産自動車が前年同月比18%減少。トヨタは16%、ホンダは14%それぞれ減少した。今年はレーバーデーの祝日を含む連休が8月の統計に含まれ、9月の営業日数が少なかった。しかしトヨタは一日当たりの販売台数も9.2%減少。各社は多額の販売奨励金を使わざるを得なくなる可能性がある。

沈黙破る

クレディ・スイスのティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)が元幹部内偵問題について沈黙を破った。従業員宛ての文書で、同行の評判が傷ついたことは「極めて遺憾」で、誤りがあったと認めた。その上で、ピエールオリビエ・ブエ最高執行責任者(COO)の辞任により「責任は完全に取られた」との認識を示した。取締役会は内偵問題をティアム氏が知っていた証拠は見つからなかったとし、同氏の責任を不問にした。

英国への譲歩か

欧州連合(EU)加盟国の政府は、英国の離脱問題で争点となっているアイルランド国境のバックストップ(安全策)メカニズムについて、時限措置とする可能性を議論した。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。実現すれば、英国への大きな譲歩となる。ポンドはこの報道を受けて一時0.4%上昇。その後、欧州委員会の報道官は「EUとして検討しているわけではない」と述べた。

イタリア債さらに上昇も

5月末から急上昇を続けているイタリア債が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用計画変更で一段と押し上げられる可能性がある。GPIFは為替差損ヘッジを講じた外国債券を、国内債の資産構成割合に算入できるようにすることを決定。これによりGPIFには外債を1兆3000億円追加購入できる余地が生じる。世界の市場で円ベースで為替調整後のリターンが最も大きい債券はイタリア、ポルトガル、スペイン。

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