[ニューヨーク 1日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対し下落。一時2年半ぶりの高値を付ける場面も見られたものの、その後は押し戻された。米供給管理協会(ISM)製造業統計の悪化がドル売りを誘った。豪ドルも軟調だった。 

9月のISM製造業景気指数は47.8と、前月の49.1から悪化し、2009年6月以来約10年ぶりの低水準と記録した。指数の低下は6カ月連続で、景気拡大・縮小の節目となる50を2カ月連続で下回った。また8月の建設支出も前月比0.1%増と、市場予想の0.4%増に届かなかった。 

キャピタル・エコノミクス(トロント)の主任米国エコノミスト、ポール・アシュワース氏は、全米自動車労組(UAW)が先月中旬、12年ぶりにゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)の拠点でストに突入したことに触れ、こうした動きもISM統計の悪化につながったのではないかと指摘した。 

同時に景気減速は確実に訪れているとも述べ、一部の米連邦準備理事会(FRB)当局者がタカ派であっても、FRBは12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げを行うだろうと予想した。 

またテンパス(ワシントン)のシニア為替トレーダー、ホワン・ペレス氏は「FRBが利下げすると他の中銀も追従して利下げするといったドミノ現象が見られることから、ドルの地合いは弱まっていない。米経済が四半期毎に年率2%のペースで成長し、海外の経済は低迷する状況では、ドルは安全資産と見なされる」と述べた。 

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.2%安の99.14。一時99.58と2017年5月以来の高値を付けた。ユーロ/ドルEUR=は0.3%高の1.0933ドル。 

ドル/円JPY=は0.3%安の107.74円。日銀の全国企業短期経済観測調査(日銀短観、9月調査)で大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス5と3四半期連続で悪化し、2013年6月以来の低水準となったことを受け、当初は円安・ドル高となったものの、その後はさえない米ISM統計でドル売りが優勢となった。 

豪ドルAUD=D3 AUD=D4は0.7%安の0.6710米ドル。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は政策金利のオフィシャルキャッシュレートを1.00%から0.75%に引き下げた。景気を支援し、失業率の低下を促すことが狙いで、利下げは年初から3回目。必要に応じて金融政策をさらに緩和する方針を示した。 

ドル/円 
NY終値 107.74/107.77 
始値 108.27 
高値 108.44 
安値 107.64 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.0930/1.0934 
始値 1.0900 
高値 1.0942 
安値 1.0885