香港では、1日の抗議活動で警察が拳銃を発砲し、18歳の高校生が大けがをしたことに反発が強まっていて、2日夜も各地で抗議活動が行われました。
4か月近くにわたって大規模な抗議活動が続く香港では1日、中国の建国70年にあわせた抗議活動に参加していた18歳の男子高校生が、警察官に拳銃で撃たれ、一時、重体となりました。
警察は自衛のためだったと釈明していますが、市民の間では警察の責任を追及する声が高まっていて、2日夜も各地で抗議集会などが開かれました。
このうち、拳銃で撃たれた生徒の高校がある新界地区の集会では、参加者が折り鶴を折って生徒の回復を祈るとともに「子どもを撃つな」と書かれたプラカードを掲げて抗議していました。
また一部の地域では、抗議活動の参加者が過激化し、警察署に火炎びんを投げ入れるなどしたため、警察が催涙弾を使って強制排除に乗り出しました。
市民の間では、一連の抗議活動でデモ隊を取り締まる際の警察の暴力行為が過剰だとして批判の声があがっていただけに、警察の発砲でけが人が出たことに対して、警察や政府への反発が一段と強まっています。
インドネシア人の記者 右目に大けが
複数の香港メディアによりますと9月29日に香港中心部で行われた抗議活動を取材していたインドネシア人の女性記者が、警察が発射したゴム弾を右目に受けて大けがをしました。
この記者は、香港で発行されているインドネシア語の新聞の記者で弁護士が2日、右目を失明するとみられると容体を明らかにしました。
記者は、ゴム弾を受けた当時、「プレス」と書かれた黄色いベストを着用して、歩道橋の上から、抗議活動を取材していたということです。
香港では抗議活動が一部で過激化するなか前線で取材する記者が、デモ隊と警察との衝突に巻き込まれて、負傷するケースが相次いでいます。