[ニューヨーク 4日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅下落。9月の米雇用統 計を受けて取引序盤には上昇したが、米国の政局リスクや米中通商協議 の行方などを巡る懸念が重しとなった。

安値圏で推移していたドルは雇用統計発表後に上昇し、円やユーロ に対してこの日の高値を形成。ただ、その後は伸び悩んだ。

米労働省が4日発表した9月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数 が前月から13万6000人増と、緩やかな伸びとなった。市場予想は 14万5000人増だった。失業率は前月の3.7%から3.5%へ低 下し、1969年12月以来、約50年ぶりの低水準となった。

スコシアバンクの主任外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン 氏は、ADP全米雇用報告やISM製造業および非製造業指数を背景に 市場期待が低下していたため、今回の雇用統計は「おおよそ許容範囲内 だった」と指摘。「ただ米連邦準備理事会(FRB)による利下げ以外 にも米国の政局などドルに関する問題がある。また、引き続き資金逼迫 に関する問題も注視している」と述べた。

雇用統計の結果を受け、短期金利先物市場が織り込む年内の利下げ 確率は低下した。

この日は政局面の緊張がドルを抑制。3日遅くに公表された外交文 書によれば、米当局者がウクライナに対し、トランプ米大統領の個人的 な政治目的につながる調査を開始するよう圧力をかけたことが明らかに なった。また来週に予定されている米中通商協議も注目されている。

終盤の取引で、ドル指数は小幅安の98.826。対円JPY =では106.88円に下落した。ユーロは対ドルで0.1%高の1.0977ドル。

ドル/円 
NY終値 106.93/106.96
始値 106.69
高値 107.12
安値 106.60

ユーロ/ドル 
NY終値 1.0976/1.0980
始値 1.0987
高値 1.0997
安値 1.0958