[イスタンブール 8日 ロイター] – トルコ軍は8日未明にかけて、クルド人部隊によるシリア北東部での補給を阻止するため、シリアとイラクの国境地帯で攻撃を行った。トルコ当局者2人が明らかにした。
トルコは同日、シリア北部での軍事作戦の準備を完了したと明らかにした。米軍は同地域からの撤収を開始しており、過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦で米軍に協力してきたクルド人勢力に対する軍事作戦がいつ始まってもおかしくない状況にある。
ある治安当局者は未明までの攻撃について、シリアでの軍事作戦に先立ち、イラク・シリア間の輸送ルートを遮断することが主要な目標と説明。シリアへの輸送や武器を含む支援を断つと語った。どのような攻撃が行われ、どの程度の被害が出たかは明らかではないが、ある当局者は空爆が実施されたと明かした。
一方、トランプ米大統領はツイッターで、IS掃討作戦で協力してきたクルド人勢力を見捨てたとの見方を否定。ただ、トルコが主要な貿易パートナーで、北大西洋条約機構(NATO)加盟国だと強調した。
シリアからの米軍撤収決定を巡っては、米与野党から批判が相次いでいる。トランプ氏は前日、トルコが「禁じ手」に出ることがあれば、トルコ経済を「壊滅させる」とけん制もした。
ホワイトハウスの報道官はこの日、トルコのエルドアン大統領がトランプ大統領の招待を受けて11月13日に訪米すると発表した。
トランプ大統領はツイッターに、エルドアン大統領が自身の「客」として訪米すると投稿した。