[シカゴ 8日 ロイター] – 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は8日、追加利下げについて、想定される向かい風に対する一段の保険になるため、連邦準備理事会(FRB)は実施する可能性があるとの考えを示した。
エバンズ総裁はシカゴで開かれたイベントで「追加利下げはインフレ押し上げの一助となり、(経済の向かい風に対する)保険にもなる。これが必要不可欠であるかは分からないが、こうした議論にはオープンマインドで臨む」と述べた。ただ米経済見通しに対しては引き続き楽観的な見方を持っているとも語った。
エバンズ総裁は先週、29─30日の連邦公開市場委員会(FOMC)について、金融政策をどちらの方向に調整することに対してもオープンマインドで臨む方針を表明。この日は「追加利下げに異存はない」と述べた。
FRBは7月と9月に利下げを実施。エバンズ総裁は今年に入ってからの利下げに支持を示している。
エバンズ総裁はこのほか、米経済に対する向かい風は追い風よりも強いとの認識を表明。「下方リスクは上方リスクより大きと考えており、FRBがやや引き締め的な政策からやや緩和的な政策に調整したことの論拠となっている」と述べた。
パウエルFRB議長がこの日の講演で、バランスシートを拡大させる方針を示したことについては、現在の環境下でどういった規模が適切なのか判断する必要があると述べた。