- 中国国営テレビとテンセント、NBAプレシーズンマッチ放送を中止
- コミッショナー、表現の自由を守るという主張を譲らず
香港の抗議活動を支持したツイートを巡り、米プロバスケットボールNBAへの中国側の反発が強まる中、NBAは表現の自由を守るという主張を頑として譲らない構えだ。
中国には8億人のNBAファンがいるが、中国中央テレビ局(CCTV)と同国ソーシャルメディア最大手のテンセント・ホールディングス(騰訊)は8日、プレシーズンマッチの放送を中止すると発表した。この発表から数時間後に記者会見したNBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は、NBAは選手や職員、オーナーなどの発言を禁じることも、促すこともしないと言明した。
中国政府は香港の民主化要求デモへの支持はいかなるものであれ、主権に対する挑戦とみなす構えで、シルバー氏の姿勢でNBAは中国政府と直接衝突する状況となった。中国でも人気の高いヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャー(GM)が、香港の抗議活動への支持を示す発言を4日にツイッターに投稿したことが発端となり、共産党政権を支持する人々の怒りを買った。
シルバー氏はツイートに関して謝罪を拒みつつ、その結果として起きていることに遺憾を表明。一部の試合の放送中止に触れ、「残念なことだと思う」と発言。「人々の気分を害したという点は、悔やまれる」と述べた。
CCTVは8日にプレシーズンマッチの放送中止を発表した上で、「NBAとの全ての協力と交流」を見直す考えを明らかにした。理由として、表現の自由に対する権利を擁護したシルバー氏のコメントを具体的に挙げた。
NBAは今週、中国でエキシビションゲームを開催する。レブロン・ジェームスらスター選手が出場予定だが、中国の有名人やファンは観戦を取りやめると表明。上海の小学校で8日に予定されていたNBAのチャリティーイベントも中止となった。
原題:NBA Chief Defends Freedom of Expression in Face Off With China(抜粋)