[ブリュッセル 11日 ロイター] – 欧州連合(EU)は11日、英国のEU離脱(ブレグジット)期限が月末に迫る中、離脱協定案を巡る合意に向けて今後数日踏み込んだ協議を行うことで英国と合意したと明らかにした。
EUのバルニエ首席交渉官と英国のバークレイEU離脱担当相は同日朝会談し、「建設的な」話し合いだったと評価した。
欧州委員会は会談後に発表した声明で、双方が今後数日協議を加速させることで合意したと表明。争点となっているアイルランド国境管理を巡る「バックストップ(安全策)」については、EU側の立場に「変更はない」とし、月末の期限までに状況が打開できるかどうか依然不透明感が残った。
前日行ったアイルランドのバラッカー首相と会談で合意に向けた道筋が見いだせるとの見解で一致したと述べていたジョンソン英首相もこの日、合意が「成立したわけではない。道のりはまだ長い」と述べた。アイルランド国境を巡る記者団からの質問には応じなかった。
その上で「必要に迫られれば、英国は合意なしで離脱する用意がある」と再表明した。
EU外交筋はロイターに対し、EU側では月末までの合意成立に向けた期待感は薄いことを明らかにした。ある外交官は「トンネルの見える明かりは極めて小さい」と述べた。
バルニエ氏もバークレイ氏との会談後、「ブレグジットは登山のようなもの。警戒、決意、忍耐が必要」と記者団に語った。