9月の米小売売上高は市場予想に反して減少、7カ月ぶりのマイナスとなった。米経済の主要な柱である個人消費が不安定になり始めていることが示唆され、金融当局が今月、3会合連続となる政策金利の引き下げを決定する論拠が強まった可能性がある。

キーポイント
・9月の小売売上高は前月比0.3%減
 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は0.3%増
 ・8月は0.6%増に上方修正-速報値は0.4%増
・飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたベースのコア売上高は9月にほぼ横ばい
 ・市場予想は0.3%増

小売売上高の減少は2月以来初めてで、これまで米経済成長を支えてきた個人消費に変化が現れ始めた可能性を示す。長引く貿易戦争に加え、企業の投資や製造業が軟化している中で消費まで弱まれば、過去最長記録を今も更新し続ける米景気拡大へのリスクが高まる。

アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は堅調な所得の伸びなど、消費者に追い風となるファンダメンタルズにもかかわらず、9月は貿易交渉など「暗い気分にさせられるニュースが多かった」と指摘。「消費者はやや慎重になったのかもしれない」と述べた。

世界的な景気の弱さと貿易問題を巡る逆風の中、米連邦公開市場委員会(FOMC)は既に2回連続で利下げを実施。10月29、30両日の次回会合で、一部の当局者は追加利下げに傾く可能性がある。

9月の小売売上高では主要13項目のうち7項目が減少。オンラインショッピングを含む無店舗小売りは0.3%減と、昨年12月以来の大きさで減少。総合小売店は0.3%減、建設資材は1%減、スポーツ・書籍・趣味用品は0.1%のマイナスとなった。衣料品や健康用品、家具は増加した。

ガソリンスタンドの売り上げは0.7%減。自動車ディーラーは0.9%減と、1月以来の大幅減少。8月は1.9%増だった。

自動車とガソリンを除いた小売売上高はほぼ横ばい。前月は0.4%増。詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Retail Sales Unexpectedly Drop in Sign Consumer Shaky (4)(抜粋)