• DUP、ジョンソン英首相の譲歩を非公式に受け入れとFT紙が報道
  • EU当局者らは臨時サミットが必要になると考えている

英国と欧州連合(EU)の当局者らは離脱を巡る合意が17、18両日のEU首脳会議に間に合うように成立することについて、ますます悲観的になっている。英保守党政権を閣外協力で支えてきた北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)が合意案に抵抗しているためだ。

議会での合意案承認にDUPの協力を必要とするジョンソン英首相は、同党の支持獲得に努めている。DUPは北アイルランドと英国本土の間で税関検査を行うという譲歩は非公式に受け入れたものの、北アイルランドを巡り特別な取り決めがなされる場合に同地方議会が拒否権を持つことを求めていると、英紙フィナンシャルタイムズ(FT)が報じた。

一方でEU当局者も修正された合意案について、税制や補助金、環境基準などの分野でEUの統制が利かなくなる事態を懸念している。EUの首席交渉官、ミシェル・バルニエ氏は加盟国代表らに対して16日中央ヨーロッパ時間午後5時に交渉の進展状況を説明する予定。

Day Two Of The Conservative Party Annual Conference
DUPのフォスター党首

EUの外交当局者は、合意は遠のいているように見受けられるとして、早い時期の臨時サミットが必要になるだろうと述べた。

これは現時点で英国側が考えたいシナリオではないが、EUはジョンソン首相が離脱延期要請を義務付けられていると考えており、その場合に臨時サミット開催が避けられなくなるとの見方だ。1つの可能性としては離脱期限3日前の10月28日が想定される。

原題:EU and U.K. Fear Deal Is Dying as DUP Holds Out: Brexit Update(抜粋)