[ワシントン 17日 ロイター] – 日銀の黒田東彦総裁は17日、米中貿易摩擦の副次的な影響拡大により、世界経済成長の回復が遅れる可能性が高いと述べた。 

総裁は記者団に対し「仮に物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれるリスクが高まるのであれば、ちゅうちょなく金融緩和措置を講ずる」と指摘。「必要に応じて措置を講じる余地はある」が、具体的な措置に関しては毎回の決定会合毎に決定していくとし、10月30─31日の金融政策決定会合ではあらゆるデータを「予断をもつことなく」精査すると語った。 

また国際通貨基金(IMF)が世界の経済成長率見通しを下方修正したことに関連し、「基本的に今年から来年にかけて世界経済が成長・回復していくというシナリオの大筋は変わっていないが、回復の時期は後ずれしている」と言及。日本においては内需が堅調で、消費と設備投資は良好な状態だが、「明らかに外需が非常に弱くなっている」とした。 

さらに米中通商協議や英国の欧州連合(EU)離脱を巡り不確実性があることから世界的な「リスク全体としてはまだ高めの状況が続いている」と警告した。