• 日本の株式市場に深刻な打撃与え、リスクプレミアム上昇の可能性
  • 最も重要な問題はどのような例外が設けられるかだとゴールドマン

ゴールドマン・サックス・グループは日本政府が進めている外資の出資規制を強化する計画について、日本株市場にとって「有害」であり、資金調達能力を妨げ、7年にわたる市場改革を台無しにするものだとの見方を示した。

  財務省は先週、国の安全保障に関わる上場企業の株式取得を外国人投資家が計画する際に義務付けている事前届け出の基準を、発行済み株式の1%以上に改めることを提案した。現在の基準は10%以上。こうした規制強化を盛り込んだ外為法改正案は自民党内で既に承認され、今後は政府の閣議決定を経て衆参両院に提出される。ゴールドマンは、4月からの来年度に施行されるとみている。

  キャシー・松井氏ら同社のストラテジストは16日付の英文リポートで、「現在提案されている新たな規制が実施されれば、日本の株式市場に深刻な打撃を与えかねない」と指摘。「新規制によって外国人投資家の参加が妨げられ、市場の流動性低下を招くリスクがある」と分析した。

  さらに、新たなルールの下では外国人投資家が「時間や費用、法的リスクといった負担増」に見舞われ、日本投資のリスクプレミアムが上昇する可能性があると予想した。

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  今回の外為法改正案は、国の安全保障に関わる産業への投資を巡る監視強化の一方、対内直接投資の促進も目指している。新ルールは軍需や電力、通信といった業界に適用されるが、投資ポートフォリオ向け資産購入は例外となる。

  「われわれの見解では、最も重要な問題は最終的にどのような例外が設けられるかだ」とゴールドマンは説明。ポートフォリオ投資は規制強化の対象にならないが、そのカテゴリーに分類される正確な定義は「はっきりしないままだ」と付け加えた。

原題:
Goldman Blasts Japan Plan for Foreign Investment Rules in Stocks(抜粋)