- 9月の工業生産は上振れも世界経済を後押しするには力不足
- 最高指導部が近日開く会議は刺激策の在り方を検討する機会となるか
中国経済は7-9月(第3四半期)に一段と減速した。9月の工業生産が予想を上回り、小売売上高も着実な増加を示したが、投資の伸び悩みが響き、世界経済を後押しするには力不足だった。
18日発表された7-9月の国内総生産(GDP)は前年同期比6%増と、1990年代前半以降で最も小さな伸びにとどまり、エコノミスト予想の6.1%を下回った。4-6月(第2四半期)は6.2%増だった。
9月の工業生産は前年同月比5.8%増。市場予想は同4.9%増加だった。小売売上高は前年同月比7.8%増と予想と一致。1-9月の固定資産投資は前年同期比5.4%増。予想(5.5%増)には届かなかった。
7-9月の成長率は鈍化したが、1-9月で見ると6.2%成長となっており、中国政府は2019年の成長率目標(6-6.5%)を達成できるとなお示唆している。中国当局は既に高水準にある債務の拡大を警戒し、預金準備率の引き下げや与信支援など限定的かつ対象を絞った措置をこれまで講じてきた。
共産党最高指導部が近く開く会議は刺激策の在り方を検討する機会となるかもしれない。
HSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者、フレデリック・ニューマン氏は「中国経済は国内外の逆風に見舞われている」と指摘。「不安定な世界の需要と米国による関税強化で輸出はここにきて減少に転じている。9月の小売売上高と工業生産は幾分安定していたが、全般的な需要は減速が続いており、比較的タイトな信用状況が続いていることを反映している」とコメントした。
1-9月のインフラ投資の伸びは4.5%に加速。9月の失業率は調査ベースで5.2%と横ばいだった。
ブルームバーグ・エコノミクスの舒暢、曲天石両氏は「7-9月のGDP成長率は6%割れを回避したとはいえ、コンセンサス予想が楽観的なようだとのわれわれの見方と一致した。9月の工業生産は予想外に力強く伸びたが、投資の一段の減速はインフラ投資を使った景気下支えという難題を浮き彫りにした」とコメントした。
原題:China’s Economy Slows on Weak Investment, Testing Global Growth(抜粋)