【ロンドン時事】英政府は１９日、新たな欧州連合（ＥＵ）離脱案が同日までに議会で承認されなかったことを受け、３１日に迫った離脱期限を来年１月３１日に延長するようＥＵに要請した。英国がＥＵに延期を求めるのは３度目。ただ、ジョンソン首相はあくまで月内の離脱実現を目指している。
英下院（定数６５０）は１９日、新離脱案の採決を先送りする動議を賛成３２２、反対３０６で可決した。首相に閣外協力してきた英領北アイルランドの地域政党・民主統一党（ＤＵＰ）が野党各党に同調して賛成に回った結果、政権は手痛い敗北を喫した。
ＥＵは今後、トゥスク大統領が加盟各国の首脳と対応を協議する。延期には各国首脳による全会一致の同意が必要だ。
「合意なき離脱」も辞さない強硬派のジョンソン首相は９月上旬、ＥＵに離脱期限の延長を申し入れるくらいなら「野垂れ死にした方がましだ」と発言。その後もことあるごとに「離脱は延期しない」と繰り返した。
しかし、野党発議で９月に成立したＥＵ離脱延期法は「合意なき離脱」阻止に向け、今月１９日までに離脱案が議会で可決されなければ、首相は離脱期限の延長をＥＵに求めると規定。このため首相は不承不承、法律に従って延期を要請した。
