- モバイル機器向けセンサーの売り上げ見込みを上方修正
- 営業利益計画は8100億円から8400億円に増額、市場予想と同水準
ソニーは30日、今期(2020年3月期)の連結営業利益計画を前期比6.1%減の8400億円(従来8100億円)に上方修正した。市場予想と同水準。主力の画像センサー(CMOS)を含む半導体事業が好調だった。
今期業績計画 |
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・売上高予想8.4兆円(前年同期比▲3.1%)、従来予想8.6兆円、市場予想8.69兆円 ・営業利益予想8400億円(同▲6.1%)、従来予想8100億円、市場予想8405.7億円 ・純利益予想5400億円(同▲41%)、従来予想5000億円、市場予想5393.2億円 |
発表資料によると、CMOSを含む半導体事業が7月の見通しから550億円増額となる。スマートフォンを中心としたモバイル機器向けセンサーの売り上げ見込みを上方修正した。
会見した十時裕樹最高財務責任者(CFO)は、画像センサーの生産は下期もフル稼働を継続する見通しと説明。20年度の生産目標を月13万枚(300ミリウエハー換算)から13万8000枚に引き上げる意向を示した。
21年以降の需要増に対応するため、長崎県に工場を新設する。12月に着工し、21年4月の量産開始を目指す。21年3月期までの3年間に7000億円としていた設備投資額は数百億円増加する場合があるという。
ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役は電話取材で、利益率の高いCMOSが「景気と関係なく需要が伸びているところで非常に競争力を発揮し、需要を取り込めている」のが好業績の要因と分析。通期の営業利益計画が、さらに上振れる可能性も示唆した。
営業利益計画 | 7月時点との比較 | |
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ゲーム | 2400億円 | ▲400億円 |
半導体 | 2000億円 | +550億円 |
全体 | 8400億円 | +300億円 |
一方、次世代ゲーム機の販売を来年に控えるゲーム事業はプレイステーション(PS)4の販売台数見通しを下方修正し、400億円減額された。PS4は1350万台(従来予想1500万)まで見通しを落とした。
次世代機PS5は20年年末商戦に投入する予定。7年ぶりの新機種は、従来の振動技術に代わって触覚技術を採用するなどコントローラーに特徴がある。十時氏は「開発は計画通り進んでいる。パートナーとのソフト開発も順調」と話した。
7-9月期の営業利益も、半導体事業の好調を受けて市場予想を上回った。
7-9月期の業績 |
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・売上高2.12兆円、市場予想2.17兆円 ・営業利益2789.6億円、市場予想2370.8億円 ・純利益1878.9億円、市場予想1547.6億円 |