[ワシントン 20日 ロイター] – トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る米下院情報特別委員会の弾劾公聴会で、ソンドランド駐欧州連合(EU)代表部大使は20日、ウクライナ問題でトランプ大統領の「指示」に従い、トランプ氏の顧問弁護士であるジュリアーニ氏に協力したと証言した。 

それによると、ジュリアーニ氏がウクライナのゼレンスキー大統領に対し、ホワイトハウスで米ウクライナ首脳会談を開催する「見返り」として民主党のバイデン前副大統領らトランプ氏の政敵への捜査を行うよう要求したという。 

ソンドランド氏は、自分を含め3人の高官がトランプ氏からジュリアーニ氏への協力を指示されたとした上で、「ジュリアーニ氏に協力したくなかったが、断れば米ウクライナ関係を強固にする重要な機会を逃すことになると考え、大統領の指示に従った」と述べた。 

さらにウクライナ問題はポンペオ国務長官も関知しており、長官は「完全に協力的」だったと指摘した。ジュリアーニ氏は弾劾調査への協力を拒否している。 

弾劾調査では、トランプ氏がゼレンスキー氏との電話会談でバイデン氏ら政敵などへの捜査を要請したことが焦点となっている。会談に先立ち、トランプ氏は3億9100万ドル規模の対ウクライナ軍事支援を凍結しており、民主側はトランプ氏が軍事支援を材料にウクライナ側に捜査を行うよう圧力をかけたと主張している。 

ソンドランド氏は、ウクライナへの軍事支援はロシアの侵攻を防ぐために欠かすことができず、支援凍結には断固反対したと説明。「凍結理由を何度も問いただしたが明確な回答は得られなかった。そのうち、ウクライナが16年米大統領選(への介入疑惑)や(バイデン氏の息子が取締役だったウクライナのガス会社)ブリスマへの捜査を行うと正式に約束するまで支援再開はないだろうと考えるようになった」と述べた。 

前日の公聴会では、国家安全保障会議(NSC)でウクライナ問題を担当するビンドマン陸軍中佐が、バイデン氏への捜査をウクライナに要請したのは「不適切」だったと証言した。