[ニューヨーク 21日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場で、ドルは主要通貨に対し小幅上昇。序盤の下落から反 転した。市場では16カ月にわたる米中通商協議の展開に注目が集まった。

この日は、部分的な通商合意の成立を巡って相反する報道が伝えられる中、リスク心 理が強弱双方に揺れ動いた。

トランプ米大統領は19日、米政府が中国と通商問題で合意できなければ、対中関税 を一段と引き上げると述べた。21日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、通商合意が12月1 5日までにまとまらなくても、米国が中国への追加関税発動を延期する可能性があると伝 えた。

このほか、中国の劉鶴副首相は20日夜に北京で行われたイベントでの講演で、米国 との第1段階の合意について、慎重ながらも楽観していると述べた。米ブルームバーグが イベントの参加者の話として報じた。

OANDAのシニア通貨アナリスト、アルフォンソ・エスパルザ氏は、互いに相殺し 合っているこうした発言は市場にとって良くないとし、「ドルは現在、通商関連のニュー スにかなり左右されている」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は0.07%高の97.999。 米下院は20日、中国が香港に高度の自治を保障する「一国二制度」を守っているか どうか米政府に毎年検証を求める「香港人権・民主主義法案」を賛成417・反対1で可 決し、トランプ大統領に送付した。

バノックバーン・グローバル・フォレックスの首席市場ストラテジスト、マーク・チ ャンドラー氏は、この法案について「両国関係にマイナスの作用が強まる」と述べた。

英ポンドは再び1.30ドルの節目を抜けられず、0.15%安の1.2902ドル 。ドルの反発のほか、最大野党・労働党の総選挙向けマニフェスト(政権公約)公表で利益確定売りが出たことが背景。

ドル/円 
        NY午後4時  108.62/108.64
             始値         108.62
             高値         108.69
             安値         108.51

 ユーロ/ドル 
        NY午後4時   1.1056/1.1057              
             始値          1.1083
             高値          1.1096
             安値          1.1053