【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は28日午後5時前、東部の咸鏡南道・連浦付近から飛翔(ひしょう)体2発を発射した。日本政府によれば、飛翔体は弾道ミサイルで、約380キロ飛行し、高度は約100キロ。日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したもようだ。

 日韓両政府は22日、期限直前に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効を回避し、協定を延長。この後、北朝鮮の飛翔体発射は初めてで、日韓の出方をうかがうほか、米国も加えた3カ国の連携を試す意図もあるとみられる。

対韓国の国境付近で防衛施設を視察する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(中央)=25日に朝鮮中央通信が配信(EPA時事)
対韓国の国境付近で防衛施設を視察する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(中央)=25日に朝鮮中央通信が配信(EPA時事)

 河野太郎防衛相は記者団に対し、韓国との情報共有をめぐり、「GSOMIAに基づく情報交換は対外的に公表していない」と言及を避けた一方、「日米、日韓、日米韓の3カ国でしっかり連携して当たる」と語った。日本との情報共有に関しては韓国軍も詳細に触れていない。米政府高官は「北朝鮮によるミサイル発射の報道を把握している。情勢を注視し、同盟国の日本、韓国と緊密に協議し続けている」と述べた。

 安倍晋三首相は情報収集・分析に全力を挙げ、国民に迅速な情報提供を行うほか、航空機や船舶などの安全確認を徹底するよう指示した。日本政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。