[ニューヨーク 3日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、トランプ米大統領の発言をきっかけに米中通商協議進展への期待が一気に後退、リスクオフ取引となる中、ドルが売られ、円やスイスフランには買いが入った。人民元は値下がりし10月以来の安値を付けた。 

トランプ大統領は、中国との通商交渉合意に期限はないとし、来年11月の大統領選挙後まで待った方が良いかもしれないと発言した。市場では米中の「第一段階」の合意が間近ともみられていただけに、発言を受けてドル全般に対する失望売りが広がったという。 

オアンダ(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「米中交渉は終わりの見えない状況が延々と続いており、期待される世界経済の回復に水を差しかねない。米国では個人消費は堅調と見られるが、トランプ氏がつまずきとなるリスクは高まっており、年末に向けた株高は期待できないかもしれない」と述べた。 

米下院情報特別委員会は3日、ウクライナ疑惑を巡るトランプ大統領の弾劾調査報告書を公表した。下院多数派の民主党は、トランプ氏が来年の大統領選再選を狙って外国の選挙干渉を求めたほか、議会妨害も指示したと非難した。

前出のモヤ氏は「トランプ氏の弾劾問題はしばらく続くだろうが、相場への影響は限定的だろう。上院は(共和党が握っており)波乱要因は見当たらず、トランプ大統領の罷免は考えられない」とした。 

ドル/円JPY= JPYX1=は0.3%安の108.60円。一時2週間ぶり安値となる108.49円を付けた。ドル/スイスフランCHF=は0.4%安の0.9870フラン。一時4週間ぶり安値の0.9858フランを付けた。 

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.1%安の97.738。オフショア人民元CNH=CNH=D3は対ドルで0.4%安の7.0695元。 

ドル/円 
NY終値 108.62/108.65 
始値 108.83 
高値 108.86 
安値 108.49 

ユーロ/ドル 

NY終値 1.1081/1.1085 
始値 1.1074 
高値 1.1093 
安値 1.1070