[ニューヨーク 16日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが小幅安。米中の「第1段階」通商合意の詳細が待たれる中、全般的に慎重な展開となった。
米中両政府は前週末に「第1段階」の通商合意に到達。トランプ米大統領は15日に予定していた対中追加関税の発動を見送り、発動猶予と引き換えに中国は米農産物の購入を拡大していくと強調した。
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長はこの日、米中による「第1段階」の通商合意は完了したと強調し、米国の対中輸出は倍増するという見通しを示した。
一方、一部の中国政府当局者は慎重な姿勢を示し、ある関係筋は「段階的な合意だ。貿易紛争がすべて解決するわけではない」と指摘した。
BMOキャピタル・マーケッツの欧州為替戦略主任、スティーブン・ギャロ氏は、「第1段階」合意を巡るニュースが消化される中、為替投資家の間では「真の答えよりも多くの疑問が残されたという印象が広がっている」と述べた。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.15%安の97.030。貿易問題に敏感なオフショア人民元や豪ドルも前週記録した4カ月ぶり高値を下回った。
ユーロ/ドルは小幅高の1.1146ドル。前週13日には4カ月ぶり高値を付けていた。ドル/円は109.57円。
マニュライフ・アセットマネジメントのポートフォリオ・マネジャー、チャールズ・トメス氏は「年末を控えた流動性の低下を踏まえ、投資家は過度に大きなポジションを取ることに消極的となっている。そのため、これまでの流れを引き継ぐ動きとなっているほか、一部でポジションを解消する動きが出た」と述べた。
ポンド/ドルは0.19%高の1.335ドル。先週の英総選挙でのジョンソン首相率いる与党・保守党の勝利が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る不透明性の解消につながるとの期待が引き続き追い風となった。