- 弾劾裁判巡る対立、軟調な米経済指標、レパトリが約束額を下回る
- スウェーデンがマイナス金利脱却、米中高官の発言
トランプ大統領弾劾裁判の手続きを巡り、共和党と民主党の対立が鮮明になりましたが、米株式相場はどこ吹く風と最高値を更新。リスク選好ムードが、この日の弱い経済指標も覆い隠す格好となりました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
一夜明けて
トランプ米大統領とマコネル上院院内総務ら共和党は上院で開かれる弾劾裁判に向けた手続きを巡り、ペロシ下院議長に非難の声を浴びせた。前日に下院本会議で弾劾決議案が可決された後、ペロシ氏は上院での弾劾裁判の規定が変更されるまで、同決議案の上院送付を見合わせる考えを示唆した。
軟調な統計
米経済指標は全般に軟調。11月の中古住宅販売件数は5カ月ぶりの低水準となった。先週の失業保険申請件数は、2月以来の大幅な減少となったが、予想ほど減らなかった。12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は、8.0の予想に対して0.3にとどまった。
約束が違う
米企業が国外から本国に還流させた利益は、米議会が税制を改正し、企業に資金還流を促して以降、総額1兆ドル(約109兆円)を超えた。レパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)の総額はただ、トランプ大統領が2017年の税制改革の結果戻ってくると約束した4兆ドルを大きく下回る。
テストケース
イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利据え置きを発表した。金融政策委員会(MPC)メンバー2人は再び利下げを主張したものの、欧州連合(EU)離脱が新たな局面を迎える中で政策余地を温存した。スウェーデン中銀は政策金利引き上げを発表。5年にわたるマイナス金利から脱却した。マイナス金利を採用する他の中銀にとってのテストケースとなる。
2020年の米中
ムニューシン米財務長官は米中が合意した通商協定の第1段階について、技術的および法的な精査を経た上で、1月初旬に内容が公表され、署名されると述べた。米国の農家は中国の需要を満たすことができるとも発言。一方、中国の李克強首相は来年の中国経済について、一段と「複雑な状況」に見舞われる可能性があると、地方政府当局者との会合で述べた。
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