[ニューヨーク 19日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルの上昇が失速。第3・四半期の米国内総生産(GDP)確報値の発表を20日に控え、投資家は大きな動き に出ることに消極的となった。同日発表された低調な製造業指標や米下 院でのトランプ大統領弾劾訴追可決には反応薄だった。
主要6通貨に対するドル指数は0.03%安の97.375 。ドルはユーロや円に対し下落。対ユーロでは0.11 %安の1.112ドル、対円でも0.26%安の109.23円。
テンパスのシニア為替トレーダー兼ストラテジストのフォワン・ペ レス氏は「米GDP統計をにらみ、静かな取引となった」と述べた。
朝方発表された12月の米フィラデルフィア連銀業況指数は0.3 で、11月の10.4から低下し、6月以来の低水準となった。米下院は前日の本会議でトランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾訴追決議案を賛成多数で可決。大統領が弾劾訴追されたのは米史上3人目。社会の分断が深まる同国で、二大政党間の対立が一段と激化する 見通し。
ムニューシン米財務長官がこの日、米中が来年1月初旬に「第1段 階」の通商合意に署名すると表明。通商合意は完了しており、現在行な われているのはテクニカル上の「擦り合わせ」と述べたも のの、さほど材料視されなかった。
ポンド/ドルは0.51%安の1.301ドル。イングラン ド銀行(英中央銀行)はこの日の金融政策委員会で、政策金利を0.7 5%に据え置くことを7対2で決定。12日投開票の総選挙でジョンソ ン首相率いる与党・保守党が圧勝したものの、中銀はこれにより欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性がどの程度解消するのか判断する のは時期尚早との見解を示した。
前出のペレス氏は、英中銀は「過度にハト派でも、過度にポジティ ブでもなかった。米連邦準備理事会(FRB)と同様、政治面での動向 を注視する姿勢を明示した」と述べた。
ドル/円 NY終値 109.37/109.38 始値 109.46 高値 109.51 安値 109.19 ユーロ/ドル NY終値 1.1120/1.1124 始値 1.1126 高値 1.1132 安値 1.1108