- 中国政府の救済減少する見通し、インドが負債の山への対処に苦慮
- 中国の不動産会社は影響を受けないと想定すべきでない-トリアダ
アジア全般にデフォルト(債務不履行)は来年さらに増加に向かう可能性があり、特に中国とインドで問題になりそうだ。
中国では商品取引を手掛ける天津物産集団のドル建て債がデフォルトに陥り、公有企業のドル建て債では20年で最大の不履行が発生した後だけに、多くの投資家は中国政府による救済が減ると見込んでいる。域内企業は借金を支えに投資を活発化させており、中国国内のデフォルトは2019年に過去最大に増加した。来年は状況がさらに悪化する恐れがある。
アジアの一部の国で景気が減速する中、企業は流動性の引き締まりに対して脆弱(ぜいじゃく)な状態に置かれている。デフォルト増加が投資センチメントをさらに圧迫し、高リスク企業の借り入れコストを引き上げる公算が大きい。
ヘッジファンド、トリアダ・キャピタルの最高投資責任者、モニカ・シャオ氏は、中国で資金調達が厳しくなる中、国内債とオフショア債市場の両方で来年はデフォルトが増加する可能性が高く、比較的脆弱な国有企業や地方政府系投資会社がリスクにさらされかねないと指摘。伝統的に経済の防波堤と受け止められてきた不動産会社についても、影響を受けないと考えるべきではないと述べた。
インドではシャドーバンキング危機を引き金とした信用の引き締まりを背景に、企業の現地通貨建て債とインターナショナル・ボンドのデフォルトは記録的な額に上っている。エッサール・スチール・インディアの経営破綻はアルセロール・ミタルによる買収で決着したが、他社はインドの破産法の下で資産売却の遅れに直面している。
リストラや破産問題を専門とするリンクレーターズのパートナー、デービッド・キッド氏は「インドは依然として既存の負債の山に対処するのに苦慮しており、まだそれほど多くの成功事例はない」と指摘。東南アジアでは石油・ガス会社がなお石油価格低迷の影響を受け、マレーシアではデフォルトの「増加」が見られると述べた。
原題:Defaults in Asia Set to Rise With Hot Spots in China, India (1) (抜粋)