[北京 26日 ロイター] – 中国財務省のシンクタンクである財政科学研究院の劉尚希院長は26日、政府が2020年に、地方政府が発行できる特別債を10%ほど増やす可能性があると述べた。一部のアナリストはもっと増えることを予想していた。 

劉氏は地方政府が20年にインフラ計画に充てる特別債を約2兆4000億元(3430億ドル)発行することが認められるとの試算を出した。政府は今年、成長を押し上げるための政策を次々と発表した。地方政府に2兆1500億ドルの特別債発行を認めたほか、2兆元規模の税金・手数料引き下げを実施した。また信用拡大に向けて準備金の要件を緩めたり貸出金利を引き下げたりした。 

劉氏は「特別債の発行は2019年から約10%増えるだろう。大幅に拡大する必要はない」と語った。 

一部のアナリストは政府が最大3兆元の特別債を承認するとみていた。 

中国の経済成長は第3・四半期に6.0%増と、約30年ぶりの弱い伸びだった。劉氏は雇用が安定していれば20年も6%か、やや上回る成長となるとの見方を示した。また、米中の第一段階の合意は中国経済にプラスになる可能性があると述べた。 

清華大学・経済管理学院の白重恩院長も同じ見解を示している。「中国と米国が順調に第一段階の合意に署名すれば先行き不透明感が後退する」と述べた。 

米中が合意した場合、中国の輸出に対する圧力が和らぐとアナリストはみている。ただ依然として、国内外の軟調な需要に対応するためにさらなる財政刺激が必要だとの見方だ。