介護サービスを提供する事業者の経営は、人手不足を背景に人件費が増加していることなどが原因で収支が悪化していることが、厚生労働省の調査で分かりました。
この調査は厚生労働省が3年に1度行っているもので、全国7300余りの介護事業者について収支の状況を調べました。
それによりますと、昨年度の決算ベースで、収入から支出を差し引いた利益率の平均はプラス3.1%で、前の年よりも0.8ポイント悪化しました。
サービス別で最も利益率が低かったのは、ケアマネージャーが在宅介護を受ける人のケアプランを作成する「居宅介護支援」で、マイナス0.1%と、すべてのサービスの中で唯一の赤字となりました。
また、前年と比較して利益率の落ち込みが最も大きかったのは「通所リハビリテーション」で、前の年より2.6ポイント下がって3.1%となりました。
厚生労働省は利益率が低下した理由に、人手不足を背景にした人件費の増加を挙げ、今回の調査でも22種類あるすべてのサービスのうち、14のサービスで収入に対する給与費の割合が増加していました。
厚生労働省は「昨年度に介護報酬を改定し、事業者の収入は増えているはずだが、それ以上に人件費が高くなり、経営環境が厳しくなっている。今後も実態を調査し、次の介護報酬改定の参考にしたい」としています。