• 大阪・イスタンブール間の乗客名簿にマイケル・テイラー氏ら
  • テイラー氏は世界中で契約を取り付ける警備会社を設立

日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン被告がレバノンに向かうために日本から乗り込んだプライベートジェット機には民間警備会社に関係する元米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)隊員ら米国人2人が同乗していた。

  大阪・イスタンブール間の乗客名簿にはゴーン被告の名前はなく、その代わりにマイケル・テイラー氏らの氏名が記載されていたと事情に詳しい関係者が明らかにした。

  テイラー氏(59)は人質救出で広範な経験を重ねた元グリーンベレー隊員で、世界中で契約を取り付ける警備会社を設立。裁判所の記録によれば、同氏の会社はアフガニスタンでの特殊部隊訓練などの仕事で米国防総省の契約5400万ドル(約58億円)相当を得ている。

  ただ、2010年にテイラー氏と同氏の会社は米ユタ州での契約詐欺とマネーロンダリング(資金洗浄)で大陪審の調査を受け、最終的に通信詐欺などで有罪を認めた同氏には禁錮2年の刑が言い渡された。

Carlos Ghosn Leaves Prison on Bail After 108 Days of Detention
カルロス・ゴーン被告写真家:岩部隆明/ブルームバーグ

  テイラー氏の妻、ラミアさんは3日の電話取材に対し、ゴーン被告が日本から出国した際のジェット機に夫が乗っていたかどうかは分からないと述べ、テイラー氏は国外にいて、連絡できないと話した。  

  同氏と共に乗客名簿に記載されていたジョルジュアントワーヌ・ザイェク氏についての情報は少なく、オンライン上のプロフィルや届け出によれば、同氏はテイラー氏の会社のほか、少なくとも別の警備会社1社とも働いていた。

  ゴーン被告(65)とテイラー、ザイェク両氏がどのように接触したのかは不明だが、同被告が少年期を過ごし国籍を持つレバノンと3人はいずれも近い関係にある。

原題:
Ghosn’s Companions on Escape Included Green Beret With Rap Sheet(抜粋)