[ニューヨーク 9日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、米・イランの衝突懸念が一段と後退する中、円が売られ、対ドルで2週間ぶり安値を付けた。市場の焦点は中東情勢から米中通商協議や米雇用統計などに移行しているという。
テンパス(ワシントン)のトレーディング部バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「トランプ大統領の前日の会見以降、イランも強硬な態度を示しておらず、中東情勢が緊迫化する前の状態に戻りつつある」と述べた。
円は対ドルJPY= JPYX1=で0.4%安の109.51円。一時109.57円と昨年12月27日以来の安値を付けた。金価格は前日付けた約7年ぶり高値から下落。こうした中、オプション市場ではユーロ/ドルEUR=3カ月物の予想変動率(インプライド・ボラティリティー)EUR3MO=が低下し、昨年11月末に付けた過去最低水準の4.27%に迫った。
米中は来週15日に「第1段階」の通商合意書に署名する予定で、これは世界経済の不確実性払拭につながるとみられる。トランプ大統領は9日、米中の「第2段階」の通商合意に向けた交渉は間もなく始まるが、今年11月の大統領選が終わるまで妥結を持ち越すこともあり得るという考えを示した。
12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが16万4000人と、前月の26万6000人から鈍化すると予想される。
オフショア人民元CNH= CNH=D3は前日の海外市場で6.9175元と5カ月ぶり高値。昨年12月の中国の生産者物価指数(PPI)が材料になった。主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.1%高の97.433。ドル/スイスフランCHF=は0.9734フランと横ばい。
ドル/円
NY終値 109.51/109.53
始値 109.45
高値 109.57
安値 109.33
ユーロ/ドル
NY終値 1.1105/1.1107
始値 1.1104
高値 1.1117
安値 1.1094