【ベイルート時事】イラン軍は11日、首都テヘラン近郊の空港近くで8日起きたウクライナ国際航空機墜落について声明を発表し、「人為的ミス」による誤射で撃ち落としたと認めた。国営メディアが伝えた。イラン側はこれまで、「技術的な不具合」による事故として撃墜の可能性を強く否定してきたが、短期間で撤回を余儀なくされた。
イラン、「撃墜説」否定躍起 国際的孤立を危惧―ウクライナ機墜落
イランは墜落の数時間前、米軍によるイラン精鋭部隊「革命防衛隊」司令官殺害への報復として、イラク国内の駐留米軍基地を弾道ミサイルで攻撃していた。イラン軍は声明で、撃墜当時は米国の脅威に対して防空システムの警戒レベルが最大限に強化されていたと説明。「旅客機が引き返し、革命防衛隊の基地に近づいた」ため、敵国の軍用機と見間違えて撃墜したと主張した。
さらに、撃墜はあくまで「意図的ではなかった」と釈明。責任者を法的に処罰する意向を明らかにした。
ザリフ外相はツイッターで「悲しい日だ。米国の冒険主義が招いた危機の時に、人的ミスで惨事につながった」とイランへの米国の圧力強化が撃墜に至った遠因だと批判。「国民と全ての遺族、影響を受けた国々に遺憾と謝罪、追悼を表する」と投稿した。ロウハニ大統領も「許されない過ちだ」と表明した。