【カイロ時事】イランからの情報によると、ウクライナ旅客機撃墜を隠蔽(いんぺい)していたイラン指導部の対応を批判するデモが13日、首都テヘランや中部イスファハンなどで行われた。当初は否定していた撃墜を一転して認めた11日からデモは3日連続となった。体制批判が沈静化する兆しは見えず、各地で治安部隊の厳戒態勢が強化されているもようだ。
イラン政府報道官は13日の記者会見で「政府による虚偽の発表はなかった」と述べ、ロウハニ大統領を含む政府高官が撃墜の事実を知らされたのは発生から2日後の10日夜だったと主張した。隠蔽の否定に躍起だが、イラン国民が納得するかは不透明だ。
デモ参加者は「独裁者は去れ」などと連呼し、最高指導者ハメネイ師や、旅客機を巡航ミサイルと誤認して撃墜した精鋭部隊「革命防衛隊」を非難。インターネット交流サイト(SNS)では、テヘラン市内で12日行われたとみられるデモの際の銃声や、負傷したデモ参加者が運ばれる様子を撮影したとされる動画が次々投稿された。
AFP通信によれば、テヘランの警察高官は「警察には自制命令が出されており、集会では発砲していない」と主張した。