アメリカ財務省は中国に対する「為替操作国」の認定の解除を決めたと発表しました。アメリカと中国の間で近く署名される貿易交渉の第1段階の合意文書に、中国が意図的に輸出に有利になる通貨安に誘導しないことを約束する内容が含まれ、為替操作への懸念が後退したためだとしています。
アメリカ財務省は13日、為替政策に関する報告書を公表し、中国に対する「為替操作国」の認定を解除することを決めたと明らかにしました。
アメリカ政府は去年8月、中国が自国の輸出に有利になるよう人民元を意図的に安く誘導しているとして、中国を25年ぶりに「為替操作国」に認定し、是正措置を求めてきました。
財務省は解除の決定について、先月、中国政府との間でまとめた貿易交渉の第1段階の合意文書に、中国が意図的に通貨安に誘導しないことを約束する内容が含まれ、為替操作への懸念が後退したためだとしています。
トランプ政権は第1段階の正式な合意文書の署名後に中国に対する関税の一部を引き下げることを明らかにしていて、これにあわせて通貨問題でも強硬姿勢をいったん緩和させたかたちです。
ムニューシン財務長官は声明で、「アメリカの労働者や企業の大きな成長につながるものだ」と述べて、合意により中国の為替操作を是正するアメリカ側のメリットを強調しました。
ただ財務省が為替を操作していないかどうかをチェックする監視対象国のリストには中国を載せ、引き続き通貨安などの問題を注視していくとしています。