CNN日本語版が本日付で、14日に行われた米民主党の大統領候補6人によるテレビ討論の勝敗分析を行なっている。トップはインディアナ州サウスベンド市のピート・ブダジェッジ前市長。38歳の新進気鋭だ。同性愛者であることを公表している。勝敗分析を行ったのはCNNのクリス・シリザ編集主幹。「6人の中で討論に最も長けていることを証明しただけでなく、開始後30分のうちに自身の能力や堅実さ、知識の深さを見せつけ、軍最高司令官にふさわしいと思わせる従軍経験にも言及した」とベタほめだ。トランプ大統領の対イラン政策を力強く批判し、「議会が武力行使を承認する手続きを一から見直す必要があると訴えた」とある。

この日テレビ討論が行われたのは中西部のアイオワ州。同州は来月初めに、民主党の指名争いの初戦となる党員集会が開かれる。ここでトップの得票を獲得した候補者は、この後に続く長い大統領選挙で極めて有利になるとされている。ブタジェッジ氏はこれまでもアイオワ州でトップの支持率を維持してきた。その候補がテレビ討論で高い評価を受けたことは、来るべき予備選挙に大きな影響を与えるだろう。民主党で中道派寄りの政策を公言している同候補、オバマ前大統領の再来とも評されているが、スピーチに長けて知識や能力も高そうだ。懸念はオバマ氏につきまとった弱腰外交を払拭できるかどうかだろう。

2番手に付けたのはエリザベス・ウォーレン上院議員。「檀上の男性4人は過去の選挙で計10回負けているのに対し、女性のエイミー・クロブシャー上院議員と自身は負けたことがない」と指摘、これが「ウォーレン氏のリベラルな政策ではトランプ氏に勝てない」との批判に対する有効な反論にもなっていたという。六人の中で一番の敗北者はバイデン前副大統領。「討論のうまさで順位をつければ、6人の中で最下位に位置する。要点を忘れたり間違えたりして言い直す場面が目立ち、力強さや自信に欠ける印象を残した」と厳しい評価。サンダース議員も「公約の目玉でもある医療保険制度改革は主にブダジェッジ氏とウォーレン氏の間で展開され、同氏は傍観者の立場に追いやられた」という。どうやら米民主党の大統領候補争い。新旧交代の時期が迫ってきたようだ。