- 昨年10-12月の成長率は7-9月と同水準-市場予想と一致
- 貿易合意は短期的に支援材料も長期には大きな不確実性残る-王蕊氏
中国経済の昨年10-12月(第4四半期)は6%成長と、約30年ぶりの低水準だった7-9月(第3四半期)と同じだった。固定資産投資の拡大ペースが強まり、今後持ち直しが根付いていく可能性があることを示唆している。
17日発表された10-12月の国内総生産(GDP)は前年同期比6%増。エコノミスト予想中央値と一致した。
2019年通年の固定資産投資は前年比5.4%増加。予想は5.2%増だった。製造業を中心に12月は増勢となり、年初来での伸びが加速した。
12月の小売売上高は前年同月比8%増加。市場予想は同7.9%増。工業生産は前年同月比6.9%増。市場予想は同5.9%増加だった。
19年の経済成長率は6.1%と、前年の6.6%から鈍化したものの、政府目標は達成した。今週署名した米国との第1段階の貿易合意や世界の需要回復で中国の製造業・輸出業にとって20年の見通しが改善した。一方、合意の履行は不透明で、国内金融の脆弱(ぜいじゃく)さもなおリスク要因となる。
国家統計局の寧吉喆局長は記者説明会で、19年の年間成長率に消費が57.8%寄与し、投資の寄与率を26.6ポイント上回ったと述べた。消費が引き続き経済成長を最も大きくけん引するとの見方を示し、20年については安定成長が見込まれると語った。
IHSマークイットのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、ラジブ・ビスワス氏(シンガポール在勤)は「20年の見通しとしては、第1段階合意や金融・財政刺激策による持続的なプラス効果で堅調な成長が続きそうだ」と分析した。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の王蕊シニアエコノミストは、「われわれが唯一言えることは中国経済が安定化しつつあるということだ。20年もこの傾向が続いていくかどうか、持ち直しがあるかどうかを予測することは難しい」と指摘。「貿易合意は中国経済にとって幾分の短期的な支援材料となったが、長期的には大きな不確実性が残る」と話した。
原題:China’s Economy Grew 6% in Fourth Quarter as Demand Stabilized、Consumption Contributes to 57.8% of China GDP Growth in 2019(抜粋)