きょう通常国会が召集される。2019年度補正予算案に続いて2020年度予算案の審議、そのあとは全世代型社会保障改革関連法案の審議と続く。本来なら与野党が真摯にかつ、真剣に日本の先行きを展望しながら議論を深めるべきだが、そんなことは端から望むべくもないだろう。桜を見る会の名簿破棄問題、菅原前経産大臣の政治資金規正法違反疑惑が立ちはだかっている。それだけではない。IR事業に関連して秋元議員が逮捕され、贈賄側の中国企業から資金提供を受けた議員も複数いる。その上、河井議員夫妻の政治資金規正法違反疑惑だ。これだけ疑惑があれば、真相解明を叫ぶ野党の攻勢は生半可ではないだろう。

この際、疑惑追及は徹底的にやるべきだ。憲政史上最長を記録した安倍政権を倒せるものなら倒したらいい。かつて日本の内閣が疑惑で倒れた前例はいくらでもある。ここで倒せなければ野党に対する国民の不信感は増幅する。倒せるか、倒せないか。個人的には確率は五分五分か、四分六で倒れないとみるが、どうだろうか。国会審議をかけの対象にするのは如何なものか、なにごとも理詰めで迫る野党議員から批判の声が聞こえてきそうだ。それでも日本経済が低迷している原因の一端は野党にある、そういえばおそらくどの野党もさらなる追及はできなくなるだろう。自民・公明の与党に加えて、野党もだらしない。

個人的には日本経済低迷の最大の要因は“主流派”による「緊縮財政」信奉だと思っている。消費税増税後、11月以降に発表され統計をみると卸売業も小売業も前月比、前年同月比でともにマイナスが続いている。輸出入もマイナス、鉱工業指数、景気動向指数も10月、11月と2ヶ月連続でマイナスだ。オリンピックが終了し、その余韻が冷めやらぬ秋以降になると、日本経済のデフレ化が鮮明になるだろう。日本はその昔、「金本位制」にこだわって強烈なデフレに陥った。今は「緊縮本位制」である。主流派を支配しているこの非常識を打ち破らない限り、日本経済の復活はない。国会で議論すべきはこの一点だと思うのだが・・・。