- ロシアやトルコなど関係各国、一段と持続的な停戦目指す
- 敵対するリビア暫定首相と軍事組織司令官は顔を合わせず
リビア内戦を巡り19日にベルリンで開かれた国際会議で、ロシアのプーチン大統領やトルコのエルドアン大統領ら関係各国の首脳は一段と持続的な停戦を目指すことで合意した。トルコはリビアの暫定政権、ロシアは反政府勢力をそれぞれ軍事支援し、エネルギー資源へのアクセスも争いの背景にある。
具体的には、委員会を設置して持続的な停戦の条件を議論することになった。ロシアの支援を受け、東部を拠点とする有力軍事組織「リビア国民軍」を率いるハフタル司令官と、トルコが支援するシラージュ暫定首相が委員会メンバーを5人ずつ指名する。国連は数日中にジュネーブで委員会会合を開くよう求めている。
会議終了に際して発表された共同声明では、関係各国が「リビアの武力紛争ないし内政問題への介入を控える」ようコミットするとともに、「国際的な全ての当事者に同様の対応を求める」とし、「停戦の取り決めに違反していることが分かった者」への国連安全保障理事会による適切な制裁を呼び掛けている。
ただ、国際会議の主催者はシラージュ暫定首相とハフタル司令官がベルリンで顔を合わせることがないよう慎重に手配し、2人とも国際会議が開かれた部屋に姿を見せず、別々のホテルにこもって過ごすなどした。
ベルリンでの会議の前、ハフタル司令官の支持者は、同司令官の支配下にある港湾からの石油輸出阻止に動いた。これによりリビアの石油生産は半分余り減少することになる。シラージュ暫定首相はこの行動について、同司令官に停戦の用意がないことを示すとみている。
ドイツのメルケル首相は19日夜、停戦への「道筋が難しくないという幻想は抱いていない」と記者団に述べた。同首相はシラージュ、ハフタル両氏と会議前に個別に会談していた。
メルケル首相は、会議に参加した首脳らがリビア国内の勢力へのさらなる軍事支援を行わず、政治的解決に取り組むことで合意したと発言。リビアの石油収入を公平に分配することも和平プロセスに含まれるだろうと語った。
原題:Warring Libya Factions Agree to Set Up Cease-Fire Committee (1)(抜粋)