ロシアのプーチン大統領は、国の権力構造を大きく変えることを盛り込んだ憲法の改正案を議会下院に提出しました。プーチン大統領としては、改正案をめぐる議論が本格化するのを待たずに憲法改正を早急に進めたい意向で、大統領の退任後、どのような形で権力を維持するか探るねらいもあるとみられます。
ロシア大統領府は20日、プーチン大統領が憲法の改正案を議会下院に提出したと明らかにしました。
ボロジン下院議長に宛てて提出された改正案によりますと、
▽大統領の任期について1人が2期を超えて務めてはならないとされているほか、
▽大統領は下院が承認した候補者を首相として任命するなど、大統領の権限が制限されています。
一方、改正案によりますと、現在プーチン大統領の諮問機関である「国家評議会」については、法律で規定するとされています。
プーチン大統領は今月15日に行った演説で憲法を改正して国の権力構造を大きく変える方針を示し、具体的な改正案については作業グループを設置して検討するとしていました。
しかし、作業グループの議論が本格化する前にプーチン大統領が改正案を議会に提出したもので、大統領としては、憲法改正を早急に進め、大統領の退任後、どのような形で権力を維持するか探るねらいもあるとみられます。
ロシア国内では、プーチン大統領は2024年に大統領職の任期が切れるのを見据え、議会や国家評議会の議長に就任するのではないかという見方が広がっています。